医師と出世

医師の世界にも一般企業で働くサラリーマン同様に出世があります。特に病院で働く勤務医にとって出世とは、大学病院の場合、医学部長・病院長>主任教授>役付き教授(特任教授、病院教授など)>准教授>講師>助教授>医員>研修医、と完全なヒエラルキーが存在します。市中病院の場合にも大学病院の組織とは役職や名称が多少異なりますが、病院長>副院長>診療部長>科長>医長>医員>研修医、という順列があります。

昔は医師の出世と言えば年功序列がお決まりで、年を重ね順番がきたら上のポジションへ上がって行くものでした。必要なものと言えば学歴のみで病院によって違うものの、大学病院で助教授以上、市中病院で医長以上に出世するためには博士号を取得しているのが条件で、且つ年功序列のため、特にポストが空かないうちは出世できないシステムです。医師としてのキャリアや実績、専門性などは関係なく、ポストが空けば自動的に役職が付いてきたのです。

少し前の医局制度に権力が集中していた時代もさして変わらず、大学に戻って研究を行い、教授や上司にうける論文を一生懸命書いて医局に心底尽くす医師たちが出世のポストを勝ち取っていきました。患者さんに寄添った臨床をメインに現場での実績を積み上げてきた医師よりも、学会で成果を出す研究メインの医師の方が出世していくシステムです。昔は今以上に学閥色や医局制度の影響力が強く、医師たちの人事権や出世を一手に牛耳るシステムを誇ってきたため、コネやパイプがないとポスト確保が厳しい医師の世界では、医局に沿うしか生き残れないという気風もあったようです。

最近医師たちは、研究と年齢を重ねて役職を得なければ執刀のメスも握ることができない日本の医療システムに辟易し、海外での臨床経験と高い技術習得を持って凱旋しています。ひと昔前であれば、いくらスキルが高くても医局とのパイプがない医師は、ぞんざいな扱いを受け出世とは無縁の道が関の山でしたが、昨今は海外で実績や臨床経験を積んだ医師たちを積極的に受け入れる民間病院も増えており、実力主義志向の医師たちは名医にランキングされ、‘God Hand’‘Super Doctor’の異名を取り、大学教授として招聘されたり、カリスマ医師として活躍しています。

年功序列式の出世や役職ポストを狙い上だけを見た仕事は、医局制度の解体とともにもはや時代遅れのシステムとなり、医師の出世も確かな技術を身に付けた実力主義の時代に入ろうとしていると考えられます。

Copyright (C) 2007-2013 医師と結婚相談所. All Rights Reserved.